むうちゃんとおとうちゃんとジュニさんの"のほほん"おとぼけDAYS。

by yukaripod

カテゴリ:本・音楽・映画( 52 )

食堂かたつむり

f0194020_10381858.jpg食堂かたつむり
小川糸
ポプラ文庫



装丁は100点。
主人公の声が出なくなったのは、恋人がいなくなったショックというよりは、おばあちゃんの思い出のつまった道具やお金を持って行かれたからだよね。
悲しいというより悔しかったんでしょう。
主人公の元(?)恋人への思いの深さなんてまったく出てこないしね。
それとも行間を読めってことなのかな?

というヒネクレタ読み方をしてしまいました。すみません。

命の大切さを説きたかったようですが、さすがに鳩は調理して食べないでしょう。
ウサギのエピソードもね。
言いたいことはわかるんだけど、生き物がいる食堂にはわたしは入りたくないなあ。

トラフグのロシアンルーレット、エルメス(ペットの豚)の屠殺、おかんの病気、ふくろう爺、etc・・・。
いろんなものを詰め込みすぎて、なにを食べさせたいのかわからない幕の内弁当のようでした。
エピソードごとに短編にしたらよかったかもね。

おなかいっぱいになったけれど、「おいしかった!」と言えない本でした。
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by yukaripod | 2010-09-29 10:54 | 本・音楽・映画

カポーティ

f0194020_11505461.jpgカポーティ
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン 、キャサリン・キーナー
監督:ベネット・ミラー


若かりし頃、染谷俊という歌い手が大好きでした。
その彼が好きな作家に挙げていたのがトルーマン・カポーティ。オードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」の原作者です。ほら、好きな人の好きなものって興味持っちゃうでしょ。
で、「遠い声 遠い部屋」を読んだんだけど、さっぱりわからん・・・(汗)素直に「ティファニー」を先に読めばよかったんだけど、染谷が「夜の樹」と「遠い声 遠い部屋」が好きだって言うからさあ・・・。
ただ、「冷血」はいつか読もうとずっと思っていた作品ではありました。
その『「冷血」を書くカポーティ』を映画化したのがこの作品です。

カンザス州で起きたある残虐な殺人事件の犯人と触れ合ううちに、彼に対して愛憎の念を抱いてしまうカポーティ。
自分の作品のために彼を生かし、彼の友達のふりをし(たのかどうかは本人にしかわからないけれど)、自分の正義に苛まれるカポーティ。
社交場で(おそらくは)言いたくもないジョークを振りまいて、周囲の笑いの渦を心の底では軽蔑しているように見えるカポーティ。

どれもカポーティであり、どれもカポーティではない。

虚構と現実の狭間に揺れるカポーティの心理が痛くて、途中で何度も目を逸らしそうになったほどに入り込んでしまいました。
同調してしまうとちょっとキツイかも。

でもこれを観たことで、ようやく「冷血」に手が伸びそうです。

最初、この役者さんが宮川大輔に見えてしまってどうしよう・・・と思ったのも束の間、あっという間に忘れさせてくれたすばらしい映画でした(汗)
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by yukaripod | 2010-09-27 11:51 | 本・音楽・映画

道 La Strada

f0194020_11463224.jpg道 La Strada
出演:ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイン
監督:フェデリコ・フェリーニ

「道」。
この曲を聞いたら高橋大輔選手をとっさに思い出してしまいますね。それほど強烈でした。
この前、今年のショートプログラムのタンゴをテレビで見たけれど、これまた高橋選手の代表作になりそうな素晴らしいプログラムでした。今シーズンも楽しみだなあ。
って、ちがうって。映画だって。


フェリーニの映画は、以前「8 1/2(はっかにぶんのいち)」を観てました、そういえば。
とっても不思議な妄想の世界で、モノクロなのにところどころ色がついたように見えてしまうような、わけのわからない世界にいつの間にか引き込まれていった印象があります。
嫌いじゃないけれど、これを好きっていうと「芸術通ぶってる」って言われそうな感じ(笑)

「道」はね、とってもよかったです。
ちょっと頭の弱いジェルソミーナの純粋な狂気とか、旅芸人ザンパノのあとから考えたら不要だとわかっているのに誰もが捨てられないプライドとか。
素直になれば解決する問題なのに、つい意地を張って失敗しちゃうこと、よくあるんだよね。
あと、本当のことを言われてカッとなったりね。
相手がしつこいと余計にね。

それが行き過ぎたザンパノは、取り返しのつかないことをしてしまいます。
悲しくも美しい、白い道。
曲と共に、心に残る映画となりました。
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by yukaripod | 2010-09-27 11:46 | 本・音楽・映画

クリスティざんまい

今年はアガサ・クリスティ生誕120年だそうで。
BSハイビジョンシネマでクリスティ特集をやっていたので、ポワロ3作品を一気に観ました。
ちなみに原作はひとつも読んでいません(汗)



f0194020_1671567.jpgオリエント急行殺人事件

クリスティの映画はとにかく俳優陣が豪華ですねえ。というか、昔の俳優さんがふつうにすごかった時代なのかもしれないけれど。アンソニー・パーキンス、ショーン・コネリー、ローレン・バコール、ローレン・バコール・・・。この俳優さんたちをじっと観ているだけでも満足(笑)

ポワロ役はアルバート・フィニー。わたしはこの人のポワロさんが好き。豪華俳優陣に囲まれて気合入りまくってる感じもするけれど、なんとなく黒髪黒髭がわたしのイメージのポワロさんに近いのよね、なんとなく。

オリエント急行の内装、映画を彩る音楽、ラストのポワロ裁き。すべてがとても美しい映画でした。原作を読んでもじゅうぶんに驚き楽しめるんだろうけれど、なんの先入観もなく映画を楽しめたのは、ある意味ラッキーだったかも知れないな。


f0194020_1626950.jpgナイル殺人事件

ポワロ役は、ピーター・ユスティノフ。今回の舞台はナイル川をゆく豪華客船。

オリエント急行に比べると、伏線も動機も犯人もわかりやすくて物足りない感じかな。わたしは最初の出会いのシーンで犯人がわかっちゃいました。
それでもやっぱりエジプトのシーンは美しいし、これまた俳優さんは豪華だし、わかっていながらも最後まで楽しめるのはさすがです。


f0194020_16404946.jpg地中海殺人事件

ナイルに続いてピーター・ユスティノフのポワロ。舞台は地中海の豪華ホテル。まあ、とにかくなんでも豪華なのよね(笑)

原題"Evil Under the Sun"がどうしたら「地中海殺人事件」になるのか不思議だけど、映画を観たら原作の原題「白昼の悪魔」よりはマッチしているように思ってしまうぐらい、地中海の太陽が魅力的な映像を作り上げています。

オリエント急行~ナイル・・・と観て、なんとなくクリスティのストーリー展開が読めてきたのか、こちらも途中で犯人がわかっちゃったんだけど、演出と映像美でやっぱり最後まで引き込まれちゃいました。
ポワロさんが崖の上から、事件の鍵となる湾を眺める場面はぞくぞくします。自分が崖っぷちに立たされている気分になりました。


殺人事件なのに陰鬱なイメージはまるでなく、とにかく「美しい」という印象がどの映画もいちばんに残りました。
ユーモアたっぷりのポワロさんのキャラのおかげかな。
ミステリーだけどサスペンスではない。
そこがいいのかも。
原作はどんな雰囲気なのかはわからないけれど、なにも知らなくても十分に楽しめるクリスティの映画でした。原作も読んでみようかな。
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by yukaripod | 2010-09-24 17:05 | 本・音楽・映画

ボトルネック

f0194020_158628.jpgボトルネック
米澤 穂信

新潮文庫


仕事場でよくこの言葉を使うんです。
渋滞に関する用語なんだけどね。
そしてこの表紙。
ひょっとしたらなにか関連があるのか?・・・なーんて期待したんだけど、全然関係なく。


で、バーボンの瓶の首を切り取ってギターのスライド奏法に使うあれ、でもなく。

タイトル買いは慎重に(笑)


いわゆるパラレルワールドで物語は進んでいくんだけど、他人は自分を投影している、というようなことをおっしゃりたいのかな。
にしては、あちらの世界もこちらの世界も、すべての人物形成が中途半端で物足りない。
登場人物の誰にも共感できるものがなかったのは、年齢のせいなのかなあ?
主な登場人物と同じ高校生ぐらいだと入り込めるのかなあ?

あっという間に読み終わって、「このミステリーがすごい!第1位」というほどのもの?という疑問だけが残った本。
残念ながら。
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by yukaripod | 2010-09-10 15:19 | 本・音楽・映画

QED 出雲神伝説

f0194020_1205819.jpgQED 出雲神伝説
高田崇史
講談社ノベルス



シリーズも16作目ともなると、前に読んだものの内容も
ほとんど覚えていなかったりして・・・(汗)


そもそも歴史書みたいなシリーズなので、全部覚えたら日本史の先生になれちゃうんじゃないか、ぐらいの内容なので、そこはまあいいとしても。

「○○の話に出てきた××さん」って、誰!?
登場人物まで忘れちゃってるよ(汗)

マンガ「MONSTER」を読んでいた頃、新刊が出るたびに最初から読み直さないとわけわかんない!というのともちょっと違うような気もするし。

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

日本最古のこの歌も、詠み人は実は素戔嗚尊ではない、とか。
しかも、幸せを詠んだ歌じゃない、とか。
出雲大社の大国主命は何故西を向いているのか、とか。
そもそも、出雲ってどこ!?、とか。
奈良から出雲まで、歴史謎解きの旅は続きます。

相変わらず現代に起こる事件の部分は推理小説として微妙だし、登場人物たちの人間模様も進展がないというかなんというか、毎回のテーマがなければたぶん途中で飽きちゃっただろうな、と思うような展開なんだけど。
こうなったらもう、惰性?(←いいのか?(笑))
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by yukaripod | 2010-08-31 12:01 | 本・音楽・映画

アラビアのロレンス

f0194020_1345118.jpgアラビアのロレンス


この映画を、このトシまで観ていなかったわたしは、ピーター・オトゥールと言えばハウステンボスのCM、っていうイメージのほうが強い。

さて、我が家のDVD再生機はPS2。
なにもせずに再生したら日本語吹き替えに字幕つき、という困った状況で始まってしまってビックリ。なに?前に借りた人、この状態で観たわけ?ありえん!
どうでもいいけど、音声の設定ってどうすりゃいいのよ!?・・・と、おとうちゃんのいないときに観てたから大変。いったん映像を止めて、あちこちのボタンをいじりまくって、なんとか英語音声&字幕に設定。
やれやれ。
前後編合わせて227分の超大作。観る前から疲れちゃったよ(汗)


でも、映画がはじまってしまえばそんな疲れも吹き飛んじゃうぐらい、一気に観てしまった。

ロレンスと言えばこのジャケットの印象が強い。
でも、内容を知らなかったから、金髪に青い目、いかにも欧米な感じの人がアラビア人の格好をして砂漠で拳銃を掲げている姿、というのがどうにも不自然だな、って思ってた。
でも、なんか英雄っぽいんだろうな、って思ってた。

NHK-BSハイビジョンのプレミアム8という番組でロレンスを取り上げたときの回を見て、単純に英雄として名が残っている人ではないことを知って、映画を観たくなった。
長い映画、というのは知っていたから、ちょっと時間が空いてしまったけれど。

f0194020_10514365.jpg舞台はアラビア半島。
さて、アラビア半島の地図をよーく見ると、国境線が直線になっている国が多いことがわかる。
なぜ?

もともとオスマン帝国という大国がいろんな戦争を経てドイツと手を組み、イギリスと戦うことになるのだけれど、そこで登場するのが、オスマン帝国を解体するべくアラブ軍を率いるイギリス人考古学者ロレンス。
それでアラビアンな格好をしているのね、と納得。

もちろん、話はそんな単純なものではないけれど。

結局ロレンスは、イギリス軍に踊らされていただけのピエロ。英雄なんて見せかけだけのものだったわけで、オスマン帝国制圧のあと、イギリスとフランスが、現在のシリアやイラクなどの国の国境線を勝手に引いてしまったために、このような直線になっているそうだ。

戦いの中で、イギリス人でありながらアラブ人になろうとするロレンス。
アラブ人を救うために来たのに、処刑と言う名目でアラブ人を殺してしまうけれど、そこに楽しさを感じてしまった自分は何者なのかという葛藤。
正義を貫いて、民族を超えたアラブ軍を作り上げてきたはずのロレンスは、退却中のオスマン帝国軍との小さな諍いから、復讐への復讐で大量虐殺を行ってしまう。
さらに、成功したかに見えたアラブ軍のオスマン帝国制圧は、アラブ民族議会の崩壊によって、あっけなくイギリス軍に支配されてしまう。

狂いだした歯車は、ロレンスをもってしても元に戻すことはできなかった。
ロレンス自身がどこかで歯車を狂わせてしまった。

争いは、狂気しか生み出さない。

いつの時代も繰り返される戦争、紛争。
なぜ人は人を支配したがるのか。
なぜ人は人を憎むのか。
同じ人間なのに。

勝者がいれば敗者がいる。
けれど、勝者も無傷ではない。

アメリカの戦闘部隊が今日、イラクから撤退する。
平和維持活動を続ける部隊はまだ残るというけれど、イラク国内の政治、経済は崩壊したままだ。
テロリストは今日もあちこちに潜んでいる。

いつまでこんなことが続くんだろう。
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by yukaripod | 2010-08-31 11:31 | 本・音楽・映画

period / 吉野朔実

f0194020_1541525.jpgperiod ⅲ・ⅳ
吉野朔実
IKKI COMIX


会社から近いほうの本屋さんでⅳを見つけた。
ⅲが出ていることすら知らなかったので、店員さんに「ⅲありますか?」と聞いたら探しに行ってくれた。
でも、置いていなかった。

探してくれてありがとう。
でも、ⅲを読まずにⅳは読めません。
「どうされますか?」と聞かれたけれど、お断りして帰ってきた。

次の日、遠いほうの本屋さんに行ったら、ちゃんとⅲもⅳも揃ってた。
「エリア最大級の書店」のうたい文句も伊達じゃないね(笑)


吉野さんお得意の子供が主役のおはなし。
子供のピュアな残酷さを描かせたら右に出るものはいないんじゃないか。っていうほどたくさん読んでいるわけではないけれど、この人の妥協しない狂気の世界が好きだ。



ハルとヨキ。
この兄弟が巻き込んでいるのか、巻き込まれているのか、彼らの周りには常に死のにおいが漂う。

必ずしも正しいことが正義ではない。
世界は不条理にあふれている。

そんな世界でこの兄弟はどこへ行こうとしているのだろう。
どこへ連れて行かれるのだろう。



さわやかな読後感とは無縁だけれど、怖いもの見たさというか・・・
この世界から逃れられません。


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by yukaripod | 2010-08-27 17:09 | 本・音楽・映画

紅嵐記

紅嵐記(上)(中)(下)
藤 水名子
講談社文庫


f0194020_10371660.jpg
元末明初、というわたしには聞きなれない舞台で繰り広げられる歴史群像。

数人の人物が、そのときどきの物語のメイン(主人公)となって登場する。
最初は、同じ人物なのに名前の呼び方が変わったりしてこんがらがってしまったのだけれど、読み進めていくうちに、その人たちの姿が見えるようになってきた。

並行して「蒼路の旅人」を読んでいたこともあって、国盗り合戦の話にすんなり入り込めたのかも。
正直、中国の国名(年号?)はさっぱりなんだけど(笑)
歴史の苦手なわたしでも、人間物語として面白く読めました。

壮大なラブストーリーといった趣。
時に愛は人を狂わせるのです。

勢いにまかせて一気に読んでしまったけれど、ここに出てきた主人公たちそれぞれのもっと深い物語も読んでみたい気もしました。

サカル(料理人)が気になるの。
酔蟹、食べたい!

なぜこの本を手に取ったかというと・・・
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by yukaripod | 2010-08-12 11:42 | 本・音楽・映画

蒼路の旅人

f0194020_16224799.jpg蒼路の旅人
上橋菜穂子
新潮文庫



生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遙か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる!―幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは?壮大な大河物語の結末へと動き始めるシリーズ第6作。
(「BOOK」データベースより)



このシリーズのことを書いた記事を探したら、なんと前のブログまで戻ってしまった。
そして、このブログに引っ越してからあまり本のことを書いていないことに気がついた。

これはいかん(笑)

チャグムのお話も、いよいよラストシリーズに突入していくんだなあ、という雰囲気にあふれています。
皇子から、帝へ。
帝に近くなればなるほど、現在の帝(チャグムの父)から離れていく心。
せつないです。

船の上でナユグに行ってしまいそうなシーンは、これまでのチャグムを思うと目頭が熱くなってきちゃって。
もはや架空のお話だとは思えません。

でも、いつまでも皇子ではいられない。
皇子は行動を起こしました。

シリーズ最終作は3部だて。
いままで彼にかかわった人たちも登場するようで、本当に楽しみ。

と同時に寂しい気もするなあ(←親心?)。


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by yukaripod | 2010-08-11 16:36 | 本・音楽・映画