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むうちゃんとおとうちゃんとジュニさんの"のほほん"おとぼけDAYS。

by yukaripod

アラビアのロレンス

アラビアのロレンス_f0194020_1345118.jpgアラビアのロレンス


この映画を、このトシまで観ていなかったわたしは、ピーター・オトゥールと言えばハウステンボスのCM、っていうイメージのほうが強い。

さて、我が家のDVD再生機はPS2。
なにもせずに再生したら日本語吹き替えに字幕つき、という困った状況で始まってしまってビックリ。なに?前に借りた人、この状態で観たわけ?ありえん!
どうでもいいけど、音声の設定ってどうすりゃいいのよ!?・・・と、おとうちゃんのいないときに観てたから大変。いったん映像を止めて、あちこちのボタンをいじりまくって、なんとか英語音声&字幕に設定。
やれやれ。
前後編合わせて227分の超大作。観る前から疲れちゃったよ(汗)


でも、映画がはじまってしまえばそんな疲れも吹き飛んじゃうぐらい、一気に観てしまった。

ロレンスと言えばこのジャケットの印象が強い。
でも、内容を知らなかったから、金髪に青い目、いかにも欧米な感じの人がアラビア人の格好をして砂漠で拳銃を掲げている姿、というのがどうにも不自然だな、って思ってた。
でも、なんか英雄っぽいんだろうな、って思ってた。

NHK-BSハイビジョンのプレミアム8という番組でロレンスを取り上げたときの回を見て、単純に英雄として名が残っている人ではないことを知って、映画を観たくなった。
長い映画、というのは知っていたから、ちょっと時間が空いてしまったけれど。

アラビアのロレンス_f0194020_10514365.jpg舞台はアラビア半島。
さて、アラビア半島の地図をよーく見ると、国境線が直線になっている国が多いことがわかる。
なぜ?

もともとオスマン帝国という大国がいろんな戦争を経てドイツと手を組み、イギリスと戦うことになるのだけれど、そこで登場するのが、オスマン帝国を解体するべくアラブ軍を率いるイギリス人考古学者ロレンス。
それでアラビアンな格好をしているのね、と納得。

もちろん、話はそんな単純なものではないけれど。

結局ロレンスは、イギリス軍に踊らされていただけのピエロ。英雄なんて見せかけだけのものだったわけで、オスマン帝国制圧のあと、イギリスとフランスが、現在のシリアやイラクなどの国の国境線を勝手に引いてしまったために、このような直線になっているそうだ。

戦いの中で、イギリス人でありながらアラブ人になろうとするロレンス。
アラブ人を救うために来たのに、処刑と言う名目でアラブ人を殺してしまうけれど、そこに楽しさを感じてしまった自分は何者なのかという葛藤。
正義を貫いて、民族を超えたアラブ軍を作り上げてきたはずのロレンスは、退却中のオスマン帝国軍との小さな諍いから、復讐への復讐で大量虐殺を行ってしまう。
さらに、成功したかに見えたアラブ軍のオスマン帝国制圧は、アラブ民族議会の崩壊によって、あっけなくイギリス軍に支配されてしまう。

狂いだした歯車は、ロレンスをもってしても元に戻すことはできなかった。
ロレンス自身がどこかで歯車を狂わせてしまった。

争いは、狂気しか生み出さない。

いつの時代も繰り返される戦争、紛争。
なぜ人は人を支配したがるのか。
なぜ人は人を憎むのか。
同じ人間なのに。

勝者がいれば敗者がいる。
けれど、勝者も無傷ではない。

アメリカの戦闘部隊が今日、イラクから撤退する。
平和維持活動を続ける部隊はまだ残るというけれど、イラク国内の政治、経済は崩壊したままだ。
テロリストは今日もあちこちに潜んでいる。

いつまでこんなことが続くんだろう。
by yukaripod | 2010-08-31 11:31 | 本・音楽・映画